アパート経営のよくある失敗談をアパート経営のプロが紹介します
アパート経営は、土地や物件の条件が良ければ、資産の積み上げ手段として有効な投資です。
しかし、条件や不動産会社・建築会社・管理会社の見極めは初心者にとっては難しい部分もあり、失敗することも珍しくはありません。
よくある失敗を把握してリスクを回避し、アパート経営を成功に導きましょう。
失敗談①:土地を買ったが、思い通りのアパートが建築できない
一番多い失敗は土地を買ったはいいが、思い通りのアパートが建築できない・アパート建築費が思ったよりかかってしまうというものです。
- 再建築不可の土地でそもそも建築できなかった
- 土地の図面のみで設計してしまい、想定部屋数が確保できなかった
- 地盤が悪かったり、地中に障害物があったりして建築費が上振れした
これらは中でもよく見かけるパターンです。それぞれ見ていきましょう。
再建築不可の土地でそもそも建築できなかった
「安い土地を見つけた」と思い、すぐに買い付けてしまったところ、再建築不可だったため建築できなかったという失敗です。
建築基準法では接道義務というものがあり、土地の間口が幅4m以上の道路に2m以上接していなければならないという規定があります。
建築物の敷地は、原則として4m以上の幅員の道路に2m以上接していなければならない。
引用:https://www.mlit.go.jp/common/001215161.pdf
この規定から外れている土地は、新しく建物を建築をすることができず、再建築不可となるのです。
このような条件を確かめずに、安さに飛びついて土地を購入してしまうと、アパートを建てられない事態に陥りますので、再建築可能かどうかは必ず確認するようにしましょう。
土地の図面のみで設計してしまい、想定部屋数が確保できなかった
土地購入時に設計士にアパートの設計図を書いてもらったものの、現地確認を怠ったために、シミュレーション通りの部屋数が確保できなかった、という失敗もよく起こります。
図面のみで設計してしまった場合、実際にアパート建築しようとした際に、道路付けなど現地の状況によっては、1フロアの部屋数が想定よりも少なくなったり、階数を想定より低くせざるを得ない、ということが起こり得るのです。
想定では1フロア5部屋の予定だったのに3部屋になってしまったり、5階建てのつもりだったのに3階までしか建てられなかったりすると、事業計画に大きくずれが出てしまいます。
部屋数が少ないために収益が出ず、思った通りの運用ができなくなってしまいますので、図面のみで設計するようなことはせず、必ず現地を確認してから設計を行うようにしましょう。
土地自体の造成が必要となり建築費が思ったよりかかってしまった
地盤が悪かったり、地中に障害物があったりして、土地自体を造成をしないとアパート建築ができない、というのもよくある失敗パターンです。
アパートの建築自体は土地の造成が得意な建築会社に依頼をすれば可能です。しかし、土地の造成には多大な費用が掛かってしまいますので、想定以上に建築費がかかってしまうという事態に陥ります。
このような失敗は、事前に建築事務所や建設会社に相談せずに土地を買ってしまった際に起こり得ます。アパート建築を前提として土地を購入する際は必ず相談してから購入するようにしましょう。
失敗談②:土地の権利関係トラブルが発生した
土地の利権関係のトラブルもよくある失敗として覚えておかなければなりません。隣接する道路が私道だった場合です。具体的にみていきましょう。
隣接する道路が私道のため配管工事の掘削に許可が必要だった
土地に建物を建てる場合には、下水道・ガスといった配管の工事が必要です。多くの場合、配管工事には隣接する道路を掘って工事をしなければなりません。
隣接道路が公道だった場合は問題ないのですが、もしも私道だった場合、持ち主の承諾がないと掘削することができません。
つまり許可なく下水道・ガスを通すことができなくなるのです。
持ち主がすぐに許可してくれる場合は良いのですが、中には「掘削するならウン百万円を払え」と言われてしまったという話もありますので注意が必要です。
必ず土地購入前に持ち主の承諾を頂けるかどうか、事前確認するようにしましょう。
隣接する道路が私道のため通行許可が必要だった
隣接する道路が私道だった場合、人や車の往来にも持ち主への通行許可が必要となります。
通行許可がない場合、工事車両が現場に入れずに、アパートの建築工事すら始められないということになりかねません。
隣接する土地が私道だった場合は、土地の購入前に持ち主の通行許可を頂いてから正式な土地購入契約を行うほうが安心です。
失敗談③:建築したアパートになかなか入居者が集まらない、募集に費用が掛かりすぎる
アパート経営の際には様々なリサーチを行い運用計画を行うことでしょう。しかし、リサーチを失敗すると思わぬ落とし穴に入ってしまうこともありますので、注意が必要です。
広告料金が想定よりも高くかかってしまった
アパートを建築する際に建築期間が長かったために、初めにリサーチした時よりも状況が変わってしまうことがあります。
人気エリアだと飛びついて土地を購入したものの、競合が増えてしまったことで、供給過多になってしまうこともあり得ます。
そうなると、なかなか入居者が集まらず広告料金がどんどん嵩んでしまうのです。
人気エリアの場合はそのような事態も踏まえ、事前に周りの状況をよく見て判断するようにしましょう。
調査していた賃料よりも安い金額でしか入居者が決まらなかった
想定よりも実際の賃料相場が安かったために、当初想定していた募集賃料ではなかなか成約に結び付かなかった、というパターンもよく起こります。
例えば、事前調査の際にsuumoなどで調べると同様の条件のアパートが7万円の賃料で募集されていたので、1部屋7万円の想定で運用計画を建てていたけれど、実際に成約されている賃料の相場は6.5万円だった、というようなものです。
実際にはsuumoで7万円で募集をかけていても半年以上成約が決まっていなかった物件を参考にしてしまっていたことが原因です。
募集賃料だけで判断せずに、実際の成約賃料を管理会社や仲介会社などに確認して、賃料を決定しなければなりません。
賃料については入居者が決まるギリギリのラインをしっかりと見極めることが大切です。賃料が高いと入居者が集まらず空室のリスクがありますし、逆に安すぎると収益を生むことができません。
このあたりの見極めをしっかりと行ってくれる管理会社と契約することもアパート経営の重要なポイントとなるでしょう。
当社では関東圏、関西圏で管理事業も承っておりますので、お気軽にご相談ください。
失敗を学んでアパート経営を成功させましょう
今回はアパート経営の失敗談の中でも代表的なものをご紹介しました。リスクをできる限り避けられるよう、失敗を事前に学んでアパート経営を成功させましょう。